|| 酒屋のおやじのつぶやき ||

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日本酒と米 / 定番酒のすすめ

日本酒と米

 日本酒の原料は米。「そのくらいのこと知ってるわい」と怒られそうだが、実際には日本酒が何からできているか知らない人も多いのです、最近。ということで、今回はお米の話。
お米といえば日本人の主食。今や“魚沼産コシヒカリ”など各地でブランド米が出回るようになってきました。でもお酒を造るのに使う米は、日々食している米とはちょっと違う。いわゆる酒米とか酒造好適米と呼ばれているお米なんです。
 その特徴としては、●大粒、軟質である●吸水性がよい●米を蒸した時、“外硬内軟”となり、手触りに弾力がある●タンパク質が少ない、などなど専門的になればキリが無いのですが、いろいろと条件があるのです。
その最高峰のブランドが“兵庫県産山田錦”。特に東条町とか吉川町などのあたりは、特A地区と呼ばれ最高級の酒米とされています。
 なぜ“兵庫県産山田錦”がすばらしいとされているのか?
もちろん上記の条件を高いレベルでクリアしているからということなんですが、味でいうと非常にふくらみがあり、それでいてキレがいい、そして何より造りやすいと言われています。かといって他の米がダメという訳じゃない。“五百万石”、“美山錦”、“亀の尾”、“雄町”、“八反”…そして静岡県が開発した“誉富士”。それぞれに良さがあり、それぞれに味がある。問題はその良さを理解し、造りに反映できるかということ。
 ブルゴーニュワインの世界では、いわゆるブドウ生産農家がワインの造り手。つまり自分でブドウを育て、そのブドウでワインを造る。故にブドウの特性を肌で感じ、ワイン造りに最大限に反映できるという考え方です。
現在、日本酒の世界にもこの形を理想と考える蔵が増えつつあり、夏は米作り、冬は酒造りという蔵元も出てきています。例えば、喜久醉、山形正宗、國権などなど。また義侠、磯自慢、初亀、黒龍などの蔵元はよりよい米作り、酒造りの為、兵庫県加東郡東条町産の最上級山田錦を使った日本酒造りに力を注ぐ団体を設立。『東条の田が、フランスワインにおけるグラン・ヴァンのブドウ畑のように、国内外を問わず世界的な評価を得られるように努力していきたい』と日々努力しています。
 とにかく奥深い酒米ですが、今回はここまで。たぶんこの調子で書いていくと、紙10枚くらい使っちゃいそうです。
知っておいていただきたいのは、米の違いにより造りの具合も変え、もちろん酒の味も違う。トータルでその米の良さを最大限活かし、気付かぬうちに盃が進む酒、それがすばらしい日本酒だということ。そんなお酒、皆さんもぜひ見つけてくださいね!